ジャガード織とはフランス人発明家のジャカール(Joseph
Marie Jacqard;1752-1834)が考案した織機(ジャガード機)を使用して製作された織物のことをいいます。もう皆さんお気づきかとは思いますが、織機の名前(ジャガード機)はジャガールの名にちなんで呼ばれるようになったものです。
この発明以前は、複雑な模様を織る際には、大人数で役割分担し、織機の上から必要なたて糸を持ち上げる、という途方もない大変な苦労を要しました。しかし、ジャガード機は、たて糸を自動的に上下に開口することができるため、それまでの手間が省かれ、あらゆる模様に対応することが可能になりました。
彼は、まだフランス革命の余韻が残るリヨンの工場で働くかたわら、織機の改善・改良に尽力し、1801年、パリの産業博覧会に織機を出品、高い評価を得ました。それがジャガード機の始まりです。それまでの方法と比べると、格段に省力化するため、「失業するのではないか」という不安がジャガード機に避難を浴びせましたが、
その後1812年の段階でフランス国内だけでも1万1,000台が使用されるに至りました。この織機のすばらしさは 誰の目にも明らかだったのでしょう。しかしこの織機のすばらしさは、それだけではありません。彼が考案した織機の原理は、紙に穴をあけ、たて糸に上下開口の命令を送る、というものでした。つまり、たて糸の操作は、
紙に穴が開いているか開いていないかによって行われていたのです。・・・これを聞いて何か思い出しませんか?そう!コンピュータの世界も0か1かという同様の原理を持っていますね。何を隠そうこのジャガード機が、コンピュータの発明の「もと」だったのです。大変興味ある事実ですね。
さて、それから約200年。当時ジャカールが考案したのは、紙に穴をあけ、たて糸に上下開口の命令を送るものでしたが、当社ではそれをコンピュータ制御することにより、さらなる省力化や技術の向上を遂げました。(参考文献:『ブリタニカ国際大百科事典』3p.422[ジャガード][ジャカール])